最近インターネットやテレビなんかでも「老害」という言葉を耳にすることが増えてきましたよね。
ここ数十年でテクノロジーは飛躍的に進歩し、私のような比較的若い世代でも正直ついていけていないことも多々あります。
私はまだ29歳の若輩者ですが、すでにもっと若い世代の文化にはついていけていません。
おそらく今の40代以上の方はもっと若い世代の考え方についていけない面が多いのではないでしょうか。
そういった若い世代の考え方を頭ごなしに否定し、自分の考えが絶対的に正しいと思っていると、「老害」と言われる人間になってしまうのです。
この記事では会社勤務5年の、若手から脱する時期に差し掛かった社会人が、「老害」とはどんな人物なのか、また、どのようにふるまうことでそのように呼ばれなくなるのかを解説します。
Contents
若手社員から見た「老害」
どのような人が、会社で「老害」と思われるのでしょうか。
私の考えでは、
- 年上が年下に物事を教えるべき
- 役職が上のほうが偉い
- 自分の過去の実績はすごい
このように、考えている人のことだと思います。
このような考えかたをしている人は、「年下や役職が下の人からは何も教わることはない」と潜在的に考えてしまっているため、自分の成長する機会を狭めているのではないでしょうか。
頭では若手の意見を聞くべきとわかっていても、どこかで若い人の言うことを否定する材料を探していませんか?
世代ごとの世界の見え方は違う
ここ何十年かで一般市民の生活は大きく変わっています。
インターネットやそれを利用したSNSであらゆる人にふれあい、価値観を知ることができる時代に生まれた若い世代と、インターネットが発達する前に社会人となった世代とでは、大きな隔たりが生まれるのは仕方のないことです。
注意点:なんでもかんでも若手の意見が重要というわけではありません
若い人間には若いなりの、あなたがしたことのない経験をしてきています。
そして上の世代がしてきた経験を違った方法で経験してきています。
逆に上の世代には上の世代でしかできなかった経験を持っていることも必ず存在すると思います。
それを無視して若手の意見をすべて聞き入れるべきというわけではありません。
多面的な視点を持つことはどんな世代においても重要
物事には、ある側面からしか見えない点もあり、逆に大勢が見えることが、特定の人が見ると見えないというものもあります。
どちらもビジネスの上では重要な観点です。
若手の意見をむやみに受け入れるわけではありませんが、自分にない視点からの鋭い意見を見抜き、取り入れる姿勢は大切です。
過去に労力やお金をかけて取り組んだことも今では非効率
昔の自分が、汗水たらして、多額のお金を費やして到達した、もしくは得たもが今では簡単にできてしまうということは珍しくありません。
それを若手に指摘されると、受け入れるのは抵抗があると思います。
過去の自分を否定することにもつながるからです。
昔は自分の足で飛び込み営業に行き、契約とをってくることが良しとされていたが、今はインターネット上で広告を作り、そこに応募してきた会社と契約するほうが何倍も労力がかからないなんてこともあります。
自分があれだけ苦労したのに今の世代が楽してそれをやってしまうなんて受け入れがたいことかもしれません。
しかし、
過去の自分の産物にすがることで、現在の自分の価値を上げられることはありません。
時代の変化に対応できる老人になる
過去のやり方がまだ、今のやり方に適している場合もたくさんあると思います。
ですので、年長者の言うことはとても参考になり、実際正しいということのほうが多いのかもしれません。
そのうえで、若手の言うことを聞くことのメリットは
- 自分に全くなかった視点からの指摘を受けられる
- 新しい技術によるビジネスチャンス
- 自分の持つ経験をさらに大きな価値に変換できる
ことです。
これらを踏まえて、意見を聞くことができれば、組織にとって、大きな飛躍を生み出すことができるはずです。
目まぐるしく生まれる新技術を取り入れるために
最近だと、AIとか機械学習などの分野は聞かない日がないくらいにニュースなどで取り上げられています。
誰もが非常に有用で大きなビジネスチャンスであるということはわかっているので、興味は持つと思います。
でも実際、ビジネスにつなげるにはどうすればいいのかなんてすぐには思いつかないと思います。
なぜなら
それらの技術が非常に難解で高度な技術を要求される分野だから
です。
最近はやりだからというだけでAIを取り入れようとする経営者があらわれているようですが、はっきり言って安易すぎです。
すこしでもソフトウェア関係をかじった人なら、時間もコストもかけて研究しなければ、良いものを生み出すことは難しいとわかるのですが、それがわからないのではないでしょうか。
日本を代表するIT企業であるソフトバンクでは、基礎研究から技術を確立するべく、大学と提携して研究を始めています。
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2019/20191206_02/
何が言いたいかというと、若い世代にとって当たり前にわかることが、上の世代にはわかりにくく、判断材料が少ないままに企業の方針を決めてしまっているのではないかということです。
現場で働く人に技術の習得を丸投げして「~を取り入れよう!」なんて安易に言う管理職は間違いなく「老害」ですよね。
これからは特に、高度に複雑化するテクノロジーに参入するなら、特に若い世代の感覚は重要ではないでしょうか。
新聞やニュースを見るだけでは、実態はわからないほど複雑な世の中になっていることをまずは理解しなければなりません。
年下の話を聞くためのマインド
ここまで、「老害」を批判するようなことを書いてきましたが、「老害」にならないために、どうやって年下の言うことを聞けば良いのでしょうか。
普通は自分が30歳で相手が20歳であれば、どうしても上から目線で話を聞くことになってしまいます。
そこで、そのような場面の時は、
自分が相手と同じ年齢であった時を思い出す
と話を聞きやすいです。
どうしても自分が「立場が上だから」とか「年上だから」とか考えてしまうと、相手の話の内容を聞くことができなくなります。
相手と同じ年齢になって聞くことで、議論に不要な立場や役職からくる思考のバイアスを取り去ることができるのです。
このような考えで接してくれる年上の人を見ると、話も入ってきますし、議論の本筋を話すことができるので、素晴らしいなと思います。
まとめ
ここまでのまとめですが、
- 年下から学ぶことをやめると「老害」に近づく
- 新しい技術ほど若手の意見を聞くべき
- 相手の年齢に自分がなりきって話すことで、不要なバイアス思考が除去され、自分の成長につながる。
です。
年を重ねて経験やスキルを積むと、自分が年下の人よりも偉くなったと勘違いしてしまうこともあるかもしれません。
これからは、時代や環境に素早く適用した人が価値のある人間になる時代になると思います。
経験やスキルを大切にしつつ、さらなる成長につなげるためには、自分より上の人だけでなく、年下から学ぶことがとても大切だという話でした。