「宇宙業界の就活するなら宇宙に関する知識が必要なの?」、「大学で宇宙関係の専攻でないと採用されにくいの?」
↑こんな疑問に答えます。
私は大学院生の時に宇宙就活をして、実際に宇宙企業に就職して5年が経とうとしています。
普段は、プログラマとして、ロケット関連のソフトウェアの開発をしています。
H3ロケットが今年度打ちあがる予定ですが、そのためのソフト開発です。
これまでに、リクルーター活動なども行い、人事の活動も少し経験し、見てきました。
そんな私が、「宇宙業界で就活するときに宇宙の知識が必要なのか」について考察します。
早めに言っちゃうと、別に必要ありません。
でもさすがに宇宙の知識ゼロはダメですよ?
まあこれを読んでいる時点で少しくらいの知識を持っている人が多いと思いますので、そこは気にせずに話します。
そしてここからは、「就活で宇宙の知識はいらないけどじゃあ何が必要か」などを深掘りしていきます。
Contents
宇宙業界の就活に宇宙の知識は必要か
宇宙の知識って漠然としてますが、宇宙物理とか、ロケット工学とかのことを指します。
宇宙業界で就活していると、
「大学で太陽風の研究してました」とか「惑星科学科(?)の出身です」とかの人が多いです。
ちなみに私は情報科学専攻でした。そして研究は「モータ(回転機械)」でした。
宇宙は関係ありません。
でも採用されました。
よって宇宙の知識も、大学の専攻が何かも関係ありません。
実際面接で
「あなたは、宇宙が好きなようですね?」
「はい!子供のころから憧れていました。」
「そうなんですね。では、一般相対性理論を説明してください。」
「」
なんてことあると思います?
まあ、それを大学で専攻していたならあるかもしれませんが、そうでない限りないですね。
中には
「一般相対性理論について聞かれてもわかりやすく簡潔に答えられる自信あるぜ!」
って人もいるかもしれませんが、まあ聞かれることはないでしょう。
なぜ宇宙の知識が必要ないか
理由は簡単です。
- その①:その会社が、その知識を必要とする可能性が低いから
- その②:ほとんどの場合、会社に入ってから勉強すれば問題ないから
- その③:宇宙の知識がある人であっても、会社の業務ができるとは限らないから
だいたいこんなことです。
その①:その会社が、その知識を必要とする可能性が低いから
宇宙の会社も、やっていることはビジネスであり、お金を生み出す必要があります。
いくら相対性理論に詳しくても、それをビジネスに使えなければ意味はありません。(もちろん知識として知っているのはとても素晴らしいです)
その②:ほとんどの場合、会社に入ってから勉強すれば問題ないから
人事課の採用する人は、宇宙の研究職に就きたい場合を除いて、会社に入って、部署に配属されてから勉強すれば問題ないと考えています。
宇宙の会社は、やっていることは宇宙に関することですが、その内容は多岐にわたります。
その部署・そのチームによって何が必要かなんて全く違います。
その内容は配属されるまでわかりません。
面接官も採用したとして、その就活生がどこに配属されるかなんてわからない場合が多いです。
よって、面接官は、宇宙のどの分野を知っているかで採用するのではなく、
会社に入ってからも勉強して役に立ってくれるか
を見極めて採用します。
その③:宇宙の知識がある人であっても、会社の業務ができるとは限らないから
これは、なんとなくお分かりだと思います。
「宇宙大好きで宇宙の雑学ならまかせろ!」
みたいな人でも、それで会社にどう貢献するかが大事なので、それ自体が過剰に大きく評価されるわけではありません。
業務をきちんと遂行してくれるかや、これまでどんなことに力を入れて生きてきたかみたいなことを評価します。
おまけ:面接官が別に宇宙に詳しくない
これは、一概には言えないのでおまけです。
面接官は人を見極めるプロかもしれませんが、べつに宇宙のプロではない場合があるからです。
おそらく、宇宙業界のことはよく勉強されていて、業界の裏側のこととかは詳しいです。
でも、宇宙のことを網羅している人はほとんどいません。
面接の限られた時間に、あなたが少し宇宙のことが詳しくても面接官はピンとこないでしょう。
宇宙の知識も大学の専攻も関係ないなら何がいるの?
じゃあ何が必要かですよね。
なんだかんだ以下のことが必要です。
- その①:宇宙好き
- その②:自己プロデュース力
- その③:基礎学力
その①:宇宙好き
宇宙の知識は必要ありませんが、宇宙への思いは必要です。
このブログでは、他の記事で何度か書いていますが、
「まあ、宇宙は好きだけど、できれば働きたいくらいでしかないな」
くらいの人は、よっぽどすごい人間力がある人でないと採用されません。
理由は以下で詳しく解説しています。
面接では、自分が宇宙が好きであることを適度にアピールすべきです。
知識があることをアピールするよりも、そっちのほうが好印象です。
その②:自己プロデュース力
宇宙業界の就活だけではありませんが、面接でいかに自分を有利にするかが勝率を上げることにつながります。
就活も、いまや情報戦です。
その意識がない人はヤバいですよ。
以下の記事を見て、具体的にどう行動すべきかを考えてみましょう。
自己プロデュースするときに鉄板なのは、やっぱり学生時代のエピソードや実績です。
あたりまえですが、研究にしてもバイトにしても、頑張ってある程度の成果を持っているにこしたことはありません。
"はったり"ではないですが、ある程度の事実と、それを上手く装飾する技術をつけましょうね。
他の記事で具体例とかも載せてますので、参考にどうぞ。
その③:基礎学力
宇宙業界は広いようで狭く、志望する人はそこそこの学歴がある人が多いです。
東大・京大などの有名大学の人がわんさかいます。
ペーパーテストも実施する宇宙企業も多いでしょうから、自分が有名大学に所属していない場合はその人たちに、負けすぎない程度に頑張りましょう。
勝つ必要はありません。
あくまで、ボロ負けをしないくらいで良いです。
もちろん、有名大学であるだけではだめですし、逆に無名大学でも採用されるためにできることもたくさんあります。
以下を参考にしてみてください。
また、「自分は文系だからバリバリの宇宙の仕事をするのは難しいだろうな」と思っている人は、以下の記事を読みましょう。
まとめ
最後にまとめると、
宇宙業界での就活に宇宙の詳しい知識は必要ない
必要なのは以下
その①:宇宙好き
その②:自己プロデュース力
その③:基礎学力
です。
宇宙業界に就活を目指す人に、リアルな実態をお伝えできればと思い、この記事を書きました。
世の中には、
「宇宙業界には高学歴でないと就職できない」
とか
「文系では宇宙の仕事はできない」
といったことを思っている人もいますし、そういった論調の記事が存在します。
実際に私は宇宙業界で働いていて、確かに高学歴の人が多くいると感じます。
しかし、そういった人ばかりではないことも良く知っています。
しかも全然少ないわけではありません。
自分が高学歴じゃないからや、文系だからという理由だけでダメと思う必要はありません。
これから宇宙業界はどんどんビジネスが生まれてくる、成長産業です。
多くの人が興味を持って、いろんな可能性を伸ばしてくれるようになることを願っています。