「宇宙って大きすぎて全くイメージできないんだけど、なんかいいイメージ方法ないの?」とか「実際宇宙ってどのくらい大きいの?」
↑こんな疑問に答えます。
私は現在宇宙業界で仕事をしています。
そのきっかけはやっぱり子供のころから宇宙が好きだったからです。
高校生、大学生の時に、図書館などの宇宙に関する面白そうな本を片っ端から読み、簡単な知識はつけました。
しかし、宇宙の話ってかなり難解です。
今回は、難しくなりがちな宇宙の話の中で、だれでもおもしろいと思える話を解説していきます。
ここでは、
「そんなの数字が大きくなりすぎて無理やろ」
と思いますよね。
まあ、聞いてみたら少なくとも「不思議だなー」と思ってもらえますよ。
宇宙のスケールの話なので、かなりおおざっぱな数字の書き方になりますが、ご了承くださいね。
宇宙のスケールを小さい単位と数字でも語れる不思議
宇宙の大きさを語る場合は「光年」という単位をよく使います。
ご存知の通り、光が1年間に進む距離を表します。
1秒間に約30万km進みます。
1日は86,400秒です。
なので、「1光年」はだいたい、
30万 × 86,400秒 × 365日 ≒ 9兆4600億 km
となります。
ちなみに地球と太陽の平均距離は、約1億5000万kmです。
「1光年」ってめちゃくちゃ大きい数字ですよね。
逆に小さい世界から考える
世の中の物質の最小単位って何ですか?
私が小学生のころの理科の教科書で、
「原子が最小単位で、これ以上分けることができない」
と習った記憶があります。
でもこれは嘘でした。
原子は陽子と中性子と電子でできています。
ここまでは、中学生の時に習って皆さん知っていますよね。
でも、まだそれらが最小単位ではありません。
それらはさらに素粒子と呼ばれる小さな粒で構成されています。
この、「素粒子」の大きさを、「センチメートル」で表すと、およそ
10-33 センチメートル
です。(10のマイナス33乗)
これは0.0000・・・・と0が33個続いてやっと数字が表れることを表しています。
書いてみると、
0.000000000000000000000000000000001 センチメートルです。
少数第33位にやっと"1"が出てきます。
ものすごい小さな数字なのがわかりますよね。
このように、数字の右上に小さい数字を書くことで、「指数」という表現ができます。
右上の数字はプラスだと大きい数字を何回かけるかを表します。(102=10×10=100)
マイナスだと大きい数字を何回わるかを表します。(10-2=1÷10÷10=0.01)
”素粒子の大きさ”ような、小さすぎる数字も、便利なことに”10”と、”33”という、簡単な数字で表すことができます。
これが、現在わかっている世界の最小の物質の大きさです。
観測できる宇宙の果てまでの距離
反対に、世の中のすべての物質をすべて含む宇宙は、大体100億光年です。
1光年は先ほど計算した結果、約9兆4600億kmでしたね。
それの100億倍です。
もう意味不明ですよね。
これを先ほどと同様に「指数」と「センチメートル」で表すと、だいたい、
1028 センチメートル
です。
10000000000000000000000000000 センチメートル
と書くと、めちゃくちゃ大きい数字ですが、1028 センチメートルと書くと、なんか、あんまり大きい感じがしませんよね。
不思議なことに、"10"という数字の「指数」を使うと、最小の素粒子と、最大の宇宙の差が、-33から28までの61しかないのです。
宇宙の大きさをイメージしていた数字より圧倒的に小さい数字で表せています。
これが、9兆4600億×100億kmとほぼ同じ数字を表しているようには見えません。
まとめ
宇宙は大きすぎるので、よく「指数」が使われます。
センチメートルの単位を使うと、宇宙は多きいほうにも小さいほうにも約30桁で表すことができることがわかりましたね。
宇宙のスケールの大きさを把握するのに、小さい数字を使ってみるのも一つの手です。
雑学
おおざっぱに言って、地球を構成する原子の数は1050個で、宇宙全体を構成する原子の数は10120 個といった単位の数字になります。
宇宙好きな人に、さらに宇宙が好きになる本で、しかもとてもわかりやすいと思った本を以下に紹介します。
この記事の参考にもさせてもらいました。