宇宙系プログラマと看護師夫婦の情報発信チャンネル

mikazukiblog

宇宙

現状日本が有人宇宙船を作っていない理由【意外な理由も】

投稿日:

「そもそも日本って宇宙に人を送る技術あるの?」とか「アメリカやロシア、中国は有人宇宙飛行をしているけど、日本ではしないの?」

↑本記事は、こんな疑問を持つ方にぴったりです。

私は、宇宙企業に就職して5年間、プログラマとして働いてきました。

仕事内容は、ロケット打ち上げ関連の一部で、日本のロケット打ち上げの最前線にいます。

これまで現場で働いてきた経験から、

日本は日本のロケットで、有人宇宙飛行をするつもりはあるのか?

について考察します。

「有人宇宙飛行」とは、人間を宇宙船に乗せて宇宙に送ることです。

結論としては、

やる気はあるが、実現できない理由が多くある

です。

その内容について深掘りしていきましょう。

日本は自前ロケットで有人宇宙飛行をする気があるのか

何年も前から、「日本は有人宇宙飛行、つまり人を宇宙に送る技術はある」と言われ続けています。

でも実際は実現していません。

なぜでしょう。

JAXAのホームページでは、

現在の日本の主力ロケットであるH-IIAロケットを有人仕様にするためにはさらに高い信頼性が必要であり、いくつもの技術的な壁を乗り越えなければなりません。

出典:ファンファンJAXAページ

と書かれています。

これは「今は技術的に無理」と言っているように聞こえなくもないですね。

実際はどうでしょう。

現状日本が有人宇宙船を作っていない理由

宇宙という極限環境に人間を(生きたまま)送るのはとても難しいです。

このことは、感覚的にほとんどの人が理解しているのではないでしょうか。

でも、これだけ技術を発達させてきた日本です。

はやぶさ2も順調に地球への帰還を目指して航行中です。

これまで積み上げた宇宙開発の技術を使って、もっとお金をかければ、、、、

あ、金がないんですかね。

でも、それだけが理由ではないのです。

理由①:予算が足りない

JAXAの予算はここ10年ほどを見ると、ほぼ横ばいなようです。

2020年度は1,888億円だそうです。

中国国家航天局の2009年予算は約150億元(22億ドル)と推定、これは約2369億円

ロシアのロスコスモスは2016年~2025年の予算として1兆4,060億ルーブル、これは約2兆2496億円(1年あたり約2496億円)

一方NASAの予算は226億ドル、これは約2兆4338億円(たぶん来年度はもっと増える)

EUのESAは144億ユーロ、これは約1兆7245億円

中国以外の2020年予算をまとめると、以下のようになっています。

宇宙局 予算(日本円)
日本 JAXA 1,888億円
中国 中国国家航天局 約2369億円(2009年推定)
ロシア Roscosmos 約2496億円(1年換算)
EU ESA 約1兆7245億円
アメリカ NASA 約2兆4338億円

各国を代表する宇宙局の予算はこのようになっています。

中国は今はもっと莫大な予算を使っている気もします。

たしかに、日本は主要なロケット打ち上げ国の中では予算が少ないようです。

アメリカやESAとはけた違いですね。

そりゃ、アメリカにはかないませんわね。

しかもアメリカは民間企業が有人宇宙船をもう作ってしまっています。

すごいですよね。

上でJAXAのホームページの抜粋をしたときに、「いくつもの技術的な壁を乗り越えなければならない」といった内容のことが書かれています。

日本は宇宙に関して、あらゆる分野の開発を行っています。

現状、日本の有人宇宙飛行船を作る予算に割ける割合は、多いとは言えないのでしょう。

理由②:政策が及び腰

日本の宇宙政策は、内閣府が出している、「宇宙基本計画」を見るとよいです。

それの、「宇宙科学・探査及び有人宇宙活動」の章を見てみると、

宇宙分野における世界的な成果の創出や国際的な発言力の確保等を目指し取組を進める。

出典:内閣府 宇宙基本政策

と書かれています。

抽象的でよくわかりません。

しかも、他にもいろいろと書かれていますが、日本の独自の有人宇宙船を作るようなことを匂わせる記述はありません。

予算がつけられないことからわかるように、日本政府として"積極的に"有人宇宙船を作る気はあまりないようです。

ちなみに、宇宙業界で働きたい人は就活の際にこの「宇宙基本計画」を読んでおきましょう。

宇宙就職のために

理由③:国民性

皆さんは、"今"日本の有人宇宙船ができたとして、日本の宇宙飛行士がそれに乗って宇宙に行くことに、賛成ですか?

この記事を見てくれている方は「賛成」と答える方が多いかもしれません。

しかし、日本国民全員にアンケートを取ったらどうなるでしょう。

たぶん、半分以上は「反対」と答えるのではないでしょうか。

そして、これから話すことを聞いても、「賛成」と答えたあなたは宇宙船に乗って宇宙に行きたいですか?もしくは他人を宇宙に送りだせますか?

現在の日本の主力ロケットH-IIAロケットは41回中40回の打ち上げに成功しています。

同エンジンを使用するH-IIBロケットも含めると49回中48回の打ち上げに成功しています。

「ほとんど成功しているからすごい!」

ですよね。成功率は約98%です!!世界最高レベルです!

 

じゃあ100回に2回は宇宙飛行士は死にますね。

どうでしょう。

これでも日本の宇宙飛行士を、宇宙に送るためにロケットに乗せることに賛成ですか?

もしその宇宙飛行士があなたの家族だったら?

実際は脱出装置などをつけることで、もう少し死亡率は下げられるかもしれません。

が、ゼロにはできません。

となると、日本の国民はそれを押しのけて「やろう!」となるか疑問です。

それを政府やJAXAはよくわかっているから、予算をつけにくいという側面があるでしょう。

これは、意外な理由ともいえることですが、納得できる点もありますよね。

外国では、50年以上前から有人宇宙飛行をしていますが、その陰には多数の犠牲者がいることも事実です。

世界で初めて人を宇宙に送ったのはロシアですが、アメリカその後成功し、月に人を送っています。

しかし、アポロ11号まではすべて失敗しています。

それでも宇宙政策を推し進められたのはアメリカの「国民性」が大きくかかわっているのは間違いないと思います。

中国でも有人宇宙飛行を成功させていますが、こちらもある意味「国民性」が日本と大きく違うから、人を宇宙に打ち上げるということ自体を実行できたと言えます。

注意点:日本の宇宙開発を批判しているわけではありません。むしろ逆です。

勘違いしてほしくないのですが、「JAXAが頑張ってない」とか「政策が悪い」とか、「日本の国民性がダメ」とか言っているわけではありません。

日本の宇宙開発の現場には、宇宙への情熱を燃やし、とてもパワフルに仕事をされている方が多くいます。

夢のある仕事ですが、宇宙を相手にするということは、何よりも困難を伴います。

それでもそれに立ち向かい、日本の宇宙技術を世界トップレベルに維持し、国際協力してあらゆる計画に参加しているのです。

これまでの日本の宇宙開発の歴史を作ってきた方や、現在も歴史を作っている方がたには敬意を持っています。

宇宙旅行に行きたいなら

一般人が宇宙旅行に行くのももうすぐ実現しそうです。

アメリカの民間宇宙会社のスペースX社と元ZOZOTOWNの前澤さんが月に行くことで話題になりましたよね。

今は宇宙旅行の料金は、たぶん億単位のお金になっていると思いますが、あと20年くらいしたらめちゃくちゃ頑張ればサラリーマンでも行けるようになるかもしれません。

宇宙旅行については、「東大宇宙博士」という肩書で主に広島で活動している井筒智彦さんが動画で解説しています。

まとめ

今回は日本が有人宇宙船を作る"困難"のリアルな部分をチラ見せくらいはできたのではないでしょうか。

日本が有人宇宙船を作らない理由は

その①:予算が足りない

その②:政府が及び腰

その③:国民性

です。

現在のH-IIBロケットで打ち上げているHTV(こうのとり)は、国際宇宙ステーションへの物資共有船ですが、有人宇宙船に使える技術が多く使われています。

そして有人宇宙船のための技術の蓄積を着々としてます。

なので技術的には、仮に予算が3~4倍あれば人を宇宙に送りこむことは可能です。

しかし、③の理由をクリアしなければ日本で実現することは当分不可能になってしまいます。

ただ、日本の民間企業が独自に宇宙船を開発すれば話は別です。

それが早いか、JAXAが課題をクリアするのが早いか、それも楽しみですね。

有人宇宙船の構想は確実に存在しますので、これからの発展が非常に楽しみな分野であることは間違いありません。

 

プログラミングスクール

AIのスクール

-宇宙

Copyright© mikazukiblog , 2022 All Rights Reserved Powered by STINGER.