「就活の採用にAIが使われ始めているけど、学生にとってどんな影響あるの?」、「どういう基準でAIは採用をするの?」
↑こんな疑問に答えます。
私は、宇宙関連企業に就職し、5年ほどソフトウェア開発をしてきました。
また、インターンシップの学生への説明員や、大学での企業説明会の説明員としてリクルート活動に毎年参加してきました。
その経験から、採用側がどのように学生を見ているかを多少なりとも学びました。
「AI時代の就活生に対してアドバイスをするとしたら」という観点からこの記事を書くことにしました。
→ 就活生にとってAIは怖くない
今後、特に大企業においてAIを採用に導入する会社は増加するとみられます。
そんな場合でも、なぜほとんど変わらないのかを深掘りしていきます。
Contents
AI時代の就活は怖くない?
採用ではエントリーシートをAIが読み込み、合否を判定する手法は人事関係者の間では広く知られています。
就活生にとっては
「コンピュータに判断されるなんてなんか微妙だな」
と感じてしまうかもしれませんね。
でももう時代がそんなことになっているので仕方ないです。
日本で採用にAIを導入しているところ
代表的なIBMのワトソン(Watson)を使った選考手法は、ソフトバンクが2017年の採用から活用しています。
それを皮切りに、
- 日立キャピタル
- 吉野家
- サッポロビール
といった有名企業が採用にAIを導入しています。
AIの導入は、企業側のメリットである、人事課の負担軽減を図った結果です。
一方、就活生からしたら合否についてはみんな条件が同じです。
よって、過度にAI採用を怖がる必要はありません。
応募者がかなり多い企業は、採用の一部を機械に頼ることで人事の負担を軽減することを考える傾向にあるようです。
と、言えば聞こえはいいですが、人事の仕事がAIに取られていくということでもありますよね。
人事課の人にとってはAIは怖い存在かもしれませんね。
AIは採用のどの部分に関わるのか
これまで、人と人のコミュニケーションによって決める物事は、AIには難しいといわれてきました。
確かに現在でも、そういった仕事はAIに置き換えられにくいといわれています。
よって、採用面接などといった、コミュニケーションを見る場では、AIはまだ信用されないです。
実際に面接をAIにさせている企業はまだ少ないです。
今のところ、AIを導入するほとんどの企業は、エントリーシートの選別といった、ある程度機械的な処理ができるものに限られます。
Googleで検索してみると、そういったサービスが、続々と登場してきています。
i-web AI ←採用支援AI 例えばこれとか
ただ、情報化によるビッグデータの活用などにより、「人間を機械が判断」するハードルはかなり下がっています。
実際、SHaiNというAI面接サービスも始まっており、130社以上の企業が導入しているそうです。
今後あと5年もすれば、面接をAIがする企業がもっとたくさん出てきているでしょう。
AIに、
「あなたの長所は何ですか?」
とか聞かれると考えると、なんか、シュールですね、、、
てか、相手のことを何て呼べばいいんでしょうね。
まさか「人工知能さん」なんて呼ぶことはないか?
話がそれましたが、とにかく
- 意外と多くの企業の採用活動に、AIはすでに関わっている
- AIによる採用活動の多くは今のところエントリーシートの選別など、限定的
ということがおわかりいただけたと思います。
もちろん、まだまだ最終的な判断は人間が行っており、AIは補助の立場ではあります。
AI採用と人の採用で結果は違うのか
上で書いたように、AIは、エントリーシートの選別といった作業を主に担当することになります。
その時に重視すると考えられるのは、
- 学歴・経歴
- 企業が指定した設問の回答
といったところで、まあ人が見るところと大して変わらないでしょう。
AIがどう判断して合否を決めるかはブラックボックスだが、、
これらの項目をAIが見て、どんな基準で選考するかは、実際わからないのです。
ですが、人工知能の特性を考えると、予想することはできます。
採用AIは、過去の合格・不合格者のデータを学習し、エントリーシートの内容が、これまでの合格基準や、企業が求める人物像に適合しているかを判断します。
AIは、過去の大量のデータから学び、新しく取得したデータを分析し、分類することが得意です。
つまり、
その企業に採用されてきた人が多い大学の出身だと有利
とか、
設問に対して、過去に離職した人と同じような傾向のある回答をすると不利
とかです。
単純だと考える方もいるかもしれません。
実際の過去の事例から単純な予測は可能と言える
過去にはAmazonの採用にAIが導入され、「女性を差別する機械学習の欠陥」が判明したことからも、こういった単純な予測も可能であると言えます。
この事例では、
過去10年間の履歴書のパターンを学習させた結果、ソフト開発など技術関係の職種採用ではシステムに性別の中立性が働かない事実が発見された。
今のAIでは、こんなことが起きてしまうのです。
AIに学習させる過去の事例は、人間による選考結果を使用しているので、どうしてもある程度偏った選考をしている場合が多いのです。
それを学習して合否を決めるAIも、その傾向をもった判定をすることになります。
AIができること
AIができることは、人が気づかないような傾向を発見することです。
その発見によって選ばれる可能性と、人間の好みで選ばれる可能性を考えると、両方ありえますよね。
自分が、AIによって選ばれるのか、人の好みで選ばれるのかなんてわかりません。
よって、大枠で見るとAI採用は、人による採用と比べて結果はほとんど変わらないでしょう。
まとめ
AIは、あくまでも面接選考者を絞り込むために使っていることを知っておきましょう。
現時点では、最終判断は人がすることは間違いありません。
最初に、AIが採用に関与しても、就活生は怖がる必要はないと述べました。
理由①:AIが人を選考しようが、会社を受ける就活生はみんな同じ条件だから
理由②:AIと人の選考結果は、結果大きく変わらないから
基本的には、これまでは人間が就活生の選考を行ってきており、ある程度の傾向が存在します。
それを学習したAIが出す結論は、やっぱり人間が出してきた結論に似ているのです。
それをAmazonの会社の事例を用いて説明してきました。
AIを使う人事課の人も、AIをそこまで過大評価しておらず、あくまで負担軽減しながら、どう自社の希望通りの人材を採用するかを考えています。
就活生の皆さんは、過剰に怖がらずに、たんたんと必要な準備をしてエントリーシートの作成や、面接などに臨んでくださいね。